本記事では、NTT以外の光回線の種類一覧やメリット・デメリットを解説します。
独自回線を検討している方は、ぜひご一読ください。
- 提供エリアが全国にまたがる光回線
- 電力系光回線
- ケーブルテレビ会社の光回線
※記事の内容に間違いがあった場合には、へご連絡ください。
※記事内の金額は全て税込み表記となります。
NTT以外の光回線の種類一覧
NTT以外の光回線は、大きく次の3タイプに分かれます。
上記3タイプの特徴を見ていきましょう。
提供エリアが全国にまたがる光回線
1つ目は、提供エリアが全国にまたがる光回線です。
具体的なサービス名は、次の2つです。
auひかりはKDDI株式会社が運営する光回線です。
アクセス回線としては、サービス開始当初はNTT光ファイバ回線の余剰分であるダークファイバーを用いていました。
2007年に東京電力の通信事業がKDDIへ委譲されたことにより、東京電力が保有する光ファイバもアクセス線に用いられるようになっています。
もう一つは、ソニー・ネットワークコミュニケーションズが展開するNURO光です。
NURO光のアクセス回線は、NTTのダークファイバが用いられています。
auひかりは36都道府県に、NURO光は22都道府県に展開しています。
電力系光回線
2つ目は、電力系光回線です。
電力系光回線は、電力会社が保有する光ファイバを用いて、電力会社系列の企業がサービスを提供しています。
当該電力会社の管轄地域に対してのみエリア展開していることが特徴で、主に西日本エリアでのみ提供されています。
具体的な光回線サービス名と提供エリアは、次のとおりです。
ケーブルテレビ会社の光回線
ケーブルテレビとは、アンテナを用いずにケーブルを使って放送を伝送するテレビサービスのことです。
もともとケーブルテレビ会社では、テレビ放送に用いられる「同軸ケーブル」を利用したインターネット接続サービスを提供していました。
放送を伝送する主幹ケーブルを従来の「同軸ケーブル」から「光ファイバー」へ変更した事業者では、光ファイバーを利用した光アクセスサービスが提供されていますよ。
ケーブルテレビ事業者の提供エリアは市町村単位となっており、事業者自体も非常にたくさんあるため、このページですべての事業者紹介することはできません。
お住まいの地域で利用できるケーブルテレビ会社が光アクセスサービスを提供しているかどうかは、検索して調べてみてくださいね。
独自回線のメリット
独自回線のメリットは、次の3つです。
詳しく見ていきましょう。
回線速度が高速
独自回線は、NTT系列の回線に比べると回線速度が高速です。
「回線」は自分以外のユーザーが共用するため、利用人数が増えれば増えるほど回線速度が遅くなります。
独自回線はNTT系列の回線に比べると利用人数が少ないため、混雑しにくく、その影響で回線速度が遅くなりにくくなっています。
またフレッツ網を経由する回線は一部の設備を増強するのにNTTの許可が必要であり、設備の増強を自由にできません。
一方独自回線では、設備を自社で管理できるため設備の増強がしやすく、高品質な回線サービスを提供しやすいしくみがあります。
地方でも10ギガ回線を利用できる
独自回線では、地方でも10ギガ回線を利用できるケースが多くなっています。
10ギガ回線を提供している独自回線と、提供地域は次のとおり。
回線タイプ | 独自回線 | 10ギガ提供エリア |
---|---|---|
全国にまたがる回線 | auひかり | 東京・神奈川 埼玉・千葉 |
NURO光 | 北海道・宮城 東京・神奈川 埼玉・千葉 愛知・静岡 岐阜・三重 大阪・兵庫 京都・滋賀 奈良・岡山 広島・福岡 佐賀 |
|
電力系光回線 | コミュファ光 | 愛知・岐阜 三重・静岡 長野 |
eo光 | 大阪・京都 兵庫・滋賀 和歌山・福井 |
|
BBIQ | 福岡・長崎・宮崎 | |
ピカラ光 | 香川・愛媛 徳島・高知 |
|
ケーブルテレビの光回線 | J:COM | 東京・神奈川 埼玉・千葉 大阪・京都 兵庫 |
auとJ:COMは都市部にのみ10ギガを提供していますが、NURO光や電力系光回線は地方でのエリア展開が特徴的です。
NURO光や電力系回線であれば、地方の方でもフレッツ光クロスの提供地域拡大を待つことなく、10ギガの回線を利用できますよ。
キャッシュバックキャンペーンが豊富
独自回線はキャッシュバックキャンペーンがNTT系列の光回線よりも豊富です。
独自回線であれば、契約で数万円のキャッシュバックをもらえるため、お得に契約できますよ。
独自回線のデメリット
独自回線のデメリットは次の3つです。
それぞれについて詳しく解説します。
提供地域が限定される
NTT系列の回線の提供エリアは全国ですが、独自回線は提供地域が限定されるものがほとんどです。
電力系の独自回線は、各電力会社の管轄エリアにのみ提供しています。
ケーブルテレビ会社の光回線は、ケーブルテレビが提供できる範囲となっており、提供エリアは市町村単位です。
NURO光は提供エリアを広げているものの、全国のカバーまではまだ至っていません。
auひかりは「大阪、京都、和歌山、奈良、滋賀、兵庫、三重、愛知、静岡、岐阜、沖縄」には提供されておらず、このエリアにおいては他独自回線と棲み分けされています。
必ず工事しなければならない
独自回線は、その独自回線の光ファイバーを引く必要があります。
たとえばNURO光を利用するときはNURO光用の光ファイバーを、auひかりを利用するときはauひかり用の光ファイバーを引き込む必要があります。
よって利用するには必ず回線工事が必要になり、切り替えるまでに時間やコストがかかります。
集合住宅なら回線引き込み済みの物件でないと利用できない
集合住宅にお住まいの方は、独自回線を自由に選べるケースが少ないでしょう。
集合住宅で利用するには、その集合住宅に独自回線が引き込まれている状態でないと利用できないからです。
たとえばauひかりを利用したくても、お住まいの集合住宅にフレッツ光の光コンセントしかない場合は、auひかりを利用することはできません。
NTT以外の光回線おすすめ5選
NTT以外の光回線でおすすめなのは、次の5つです。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
auひかり
光回線 | auひかり | ||
---|---|---|---|
プラン | ホーム1ギガ | ホーム10ギガ・5ギガ | マンション |
通信速度 | 最大1Gpbs | 最大10Gbps | マンションタイプによって異なる |
月額料金 | 5,610円~ | 5ギガ:5,610円~ 10ギガ:6,468円~ | 4,290円~ |
工事費 | 実質無料 | ||
提供エリア | 大阪、京都、和歌山、 奈良、滋賀、兵庫、 三重、愛知、静岡、 岐阜、沖縄を除く全国 | 東京・神奈川・埼玉・千葉 | 全国 |
- 1ギガ回線はほぼ全国で利用できる
- プロバイダを選べる
auひかりは、独自回線の中で最も提供エリアが広い回線であるため、独自回線の中では最も利用しやすいでしょう。
1ギガのサービス以外にも、10ギガ・5ギガのサービスが東京都・神奈川・埼玉・千葉の一部地域で提供されていますよ。
スマートフォンがauやUQモバイルであれば、スマホ料金が永久に割引されるのも嬉しいポイントです。
NURO光
光回線 | NURO光 | |
---|---|---|
プラン | 2ギガ | 10ギガ |
通信速度 | 最大2Gpbs | 最大10Gbps |
月額料金 | 5,200円 | 5,700円 |
工事費 | 実質無料 | 実質無料 |
契約事務手数料 | 3,300円 | 3,300円 |
契約期間 | 3年間 | 3年間 |
解約手数料 | 3,850円 | 4,400円 |
提供エリア | 北海道 東京/神奈川/埼玉/千葉/茨城/栃木/群馬 愛知/静岡/岐阜/三重 大坂/兵庫/京都/滋賀/奈良 岡山/広島 福岡/佐賀 | 北海道 宮城 東京/神奈川/埼玉/千葉 愛知/静岡/岐阜/三重 大坂/兵庫/京都/滋賀/奈良 岡山/広島 福岡/佐賀 |
- 地方でも10ギガ回線を利用できる
- 10ギガの料金が特に安い
NURO光は、auひかりに次いで提供地域が広い独自回線です。
とくに10ギガの提供地域が広く、地方においても10ギガ回線を利用できますよ。
- 北海道・東北地方:北海道・宮城
- 関東地方:東京・神奈川・埼玉・千葉
- 東海地方:愛知・静岡・岐阜・三重
- 関西地方:大阪・兵庫・京都・滋賀・奈良
- 中国地方:岡山・広島
- 九州地方:福岡・佐賀
10ギガの料金は5,700円と他の回線よりも安く設定されており、割安に利用できます。
J:COM
光回線 | J:COM | |
---|---|---|
プラン | 光1Gコース | 光10G・5Gコース |
通信速度 | 最大1Gpbs | 最大10Gbps |
月額料金 | 7.348円~ | 5ギガ:7,348円~ 10ギガ:8,756円~ |
工事費 | 実質無料 | 実質無料 |
提供エリア | 関東・仙台 北海道 九州・下関 関西 | 関東 関西 |
- KDDI傘下の国内最大ケーブルテレビ事業者
- 専門チャンネルを楽しめる
J:COMは国内最大のケーブルテレビ事業者で、KDDI傘下の企業です。
光アクセスサービスでは、auひかり回線を用いて10ギガ/5ギガ/1ギガのサービスが提供されていますよ。
ケーブルテレビを引いて専門チャンネルを楽しみたい方にとって、最もおすすめの光回線といえます。
auやUQモバイルとのセット割があり、auやUQモバイルのスマホ料金が割引されます。
自社のJ:COMモバイルを利用すれば、J:COMモバイルのデータ容量が増量されますよ。
コミュファ光(東海地区)
光回線 | コミュファ光 | |
---|---|---|
プラン | ホーム1G マンションF1G | ホーム10G マンションF10G |
通信速度 | 最大1Gpbs | 最大10Gbps |
月額料金 | 5,170円 | 5,940円 |
工事費 | スタート割対象メニューの契約かつ「安心サポートPlus」の同時申込で無料 | |
提供エリア | 愛知・岐阜・三重・静岡・長野 |
- 東海地方にエリア展開する電力系光アクセスサービス
- 10ギガ回線を用いたゲーム専用回線「コミュファ光 ゲーミングカスタム」が提供されている
コミュファ光は、中部5県でシェアNo.1の光回線サービスです。
電力系の光回線サービスで、東海地方限定でエリア展開しています。
1ギガのほか10ギガの回線サービスが提供されていますよ。
スマホのセット割は、auとUQモバイルが対象となっています。
独自回線にしては珍しく、低Ping値の機能を実装したオンラインゲーム専用回線も提供されています。
eo光(関西地区)
光回線 | eo光 | ||
---|---|---|---|
プラン | 1ギガ | 5ギガ | 10ギガ |
通信速度 | 最大1Gpbs | 最大5Gbps | 最大10Gbps |
月額料金 | 1年目 2,380円 2年目 5,448円 | 1年目 2,380円 2年目 5,960円 | 2,380円 6,530円 |
工事費 | 実質無料 | ||
提供エリア | 大阪・京都・兵庫・滋賀・和歌山・福井 |
- 関西地区にエリア展開する電力系光回線
- mineo/au/UQモバイルとのセット割がある
eo光は、関西地区にエリア展開する電力系の光回線です。
運営企業は格安スマホのmineoを展開しています。
スマホとeo光をセットで利用することでmineo料金が330円/月ずっと割引されますよ。
mineoの他にもauやUQモバイルとのセット割があります。
NTT系列のメリット・デメリットも確認
NTT系列の光回線は、大きく次の2つがあります。
- フレッツ光
- 光コラボ
フレッツ光はNTT東西が直接提供する回線サービスで、プロバイダは個別に契約するしくみになっています。
光コラボはNTT東西から回線を卸してもらった業者が提供する光回線サービスで、プロバイダ込で提供されます。
上記のメリット・デメリットについて見ていきましょう。
NTT系列のメリット
NTT系列の光回線のメリットは、次の3つです。
- フレッツ光回線を利用していれば工事不要で利用できる
- 全国どこでも利用できる
- 料金が安い
フレッツ光回線を利用していれば工事不要で利用できる
すでにフレッツ光回線や他社の光コラボを利用している場合、NTT系列の光回線を引き込み工事なしで利用できます。
たとえば現在ドコモ光を利用しているのであれば、工事なしでソフトバンク光を利用できますよ。
初期費用が発生しないので手軽に乗り換えられますし、回線変更までの納期も短くて済みます。
ただし「乗り換えと同時に1ギガの回線から10ギガの回線に変更する」など、大元のプランの変更がある場合は工事が必要になります。
全国どこでも利用できる
フレッツ光や光コラボはNTTの回線を利用するため、日本全国どこでも利用できます。
地方の方にとって、最も利用しやすい回線といえるでしょう。
料金が安い
光コラボの多くは、独自回線よりも割安な料金で利用できるものが多いです。
光コラボは携帯電話でいう格安SIMのようなものなので、お得に利用できます。
NTT系列のデメリット
NTT系列のデメリットについても触れていきます。
- 回線速度が遅い
- キャッシュバック額が少ない
- 10ギガ回線は地方では提供されていない
回線速度が遅い
NTT系列の回線は、独自回線に比べると回線速度は遅いです。
光回線は他のユーザーと回線をシェアするものなので、利用するユーザー数が増えれば増えるほど回線速度は遅くなってしまいます。
総務省が公表している「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(令和3年度第2四半期(9月末)」によると、光回線におけるNTT東西のシェアは64%と圧倒的です。
利用者が多いことが、皮肉にも通信速度が低下しやすい要因となっています。
また遅い理由の1つとして、回線設備増強のための基準が高く、なかなか設備を増強できない点もあげられています。
ただこちらについては、光コラボ事業者が設備を自由に増強できる「IPoE通信」を利用することで、速度の遅さは解消できるとされています。
キャッシュバック額が少ない
光コラボの中にはキャッシュバックキャンペーンを展開している業者もありますが、その額は独自回線よりも少ない額となっています。
お得に契約したい方にとって、光コラボはやや見劣りするでしょう。
10ギガ回線は地方では提供されていない
フレッツ系列では10ギガ回線を2020年4月から提供を開始していますが、提供されているエリアは大都市圏に限定されています。
- 東日本エリア:東京・神奈川・千葉・埼玉・北海道・宮城・新潟
- 西日本エリア:大阪・和歌山・京都・滋賀・兵庫・愛知・静岡・岐阜・三重
地方の方が10ギガ回線を利用するには、エリア展開されるのを待つ必要があります。
NTT以外の光回線でよくある質問
NTT以外の光回線でよくある質問と答えをまとめました。
独自回線を選ぶポイントは?
たとえば、以下のような基準で選んでみてはいかがでしょうか。
- 利用しているスマホ料金が割引されるもの
- キャッシュバック額が大きいもの
独自回線だと必ず工事が必要?
工事まで数ヶ月以上かかる場合もあるため、余裕をもって申し込むようにしましょう。
NTT以外の独自回線で高速インターネットを楽しもう
NTT以外の光回線のおすすめについて振り返ると、次のとおりです。
独自回線はその多くが地域限定で提供されています。
NTT系列の光回線よりも利用人数が少ないため、高速で通信できるのが特徴です。
もしお住まいのエリアが独自回線の提供エリアであれば、ぜひ利用してみてください。